センセイの鞄

2005年12月7日 映画
DVD ビクターエンタテインメント 2003/11/28 ¥5,985
川上弘美の小説「センセイの鞄」を映像化したドラマ。40歳を目前にした女性と30歳近く年の離れた高校時代の“センセイ”とのシンプルで心温まる恋模様を描く。出演は小泉今日子、柄本明ほか。2003年2月、WOWOWにて放送。

感謝したい。WOWOWは本当に素晴らしいドラマを作ってくれた。演出が向田邦子のドラマを手がける久世光彦と聞いた時点でかなり期待していたが、出来はその期待を遥かに上回るものであった。大袈裟な表現ではなく、ほとんど奇跡のような作品だと思う。
原作の川上弘美作品は好きでよく読んでいた。しかしこの「センセイの鞄」は、私にとって特に印象に残る作品ではなかった。読後の感想は正直言ってほとんど何も残らなかったくらいである。だからこのドラマを見たときには、本当に「やられた」という物凄いショックを受けた。私は一体何を読んでいたのだ。こんな凄い作品だったのか。自分の読み込みの浅さとドラマ版の解釈の深さに愕然としながら、ラストでは月子(小泉今日子)と一緒にウオーンと声をあげて泣いてしまったのである。
センセイの鞄の中、真っ暗な闇が映されて、そこから月子のお腹の底から這い上がるような声が響いてゆく。一瞬何が起こっているのかよく分からない、このラストの演出、私最高だと思うんですけどみなさんどうですか??そもそもWOWOW放送用に作られたドラマだったので見た人自体が少ないと思います。でも、これを見ずにすませるなんて勿体無い。作品の出来は私が保証するので是非見てください!!月子=小泉今日子というキャスティングに疑問を持つ人も多いと思いますが、私は彼女の演じた月子、好きですよ。大好きです。あんな風に、布団の中でセンセイを待ってる月子、素敵じゃないか。原作で嵌まった方もまったく作品知らない方も、絶対楽しめると思います。そのくらい素晴らしい解釈と演出を兼ね備えた作品です。お勧めです。是非。

最後に余談ですが、月子が身につけている服や小もの、どれもとっても素敵です。これも「月子のキャラにしてはおしゃれ過ぎる」と批判されちゃうかなあ。でも私は好きなんだけどなあ。ドラマが終了した後、感動して泣きながら「月子の帽子視聴者プレゼントとかないかなあ、ぐすぐすっ」などと思ったくらい(汗)。

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