ISBN:4102214011 文庫 Frances Hodgson Burnett 新潮社 1953/12 ¥580

アーメンガードという名前を聞いただけで、懐かしさに打ち震える女子も多いのではないか。これが世に言う「ハウス名作劇場効果」(適当に言ってるだけですから適当に聞き流してくださいね。いつものことですけど)。
まったくいつ読んでも酷い話だと思うんですが(笑)、それでいてついつい読んでしまうんだよなあ。年端もいかない少女たちを寄宿舎に任せっきりにして、一年のほとんどを仕事だか社交だかに費やすという親の神経がまずなかなか信じられず、たとえそれが当時は当然の「躾」だったにせよ「ステイタス」だったにせよ、本当に仕事の都合でそうするしかなかったにせよ、率直に言わせていただいて「歪んどるなあ」と(笑)。だいたい寄宿舎を経営(?)しているミンチン先生とその妹からして歪みまくりではないか。よくこんな人たちに娘を預ける気になったものだ。主人公のサアラ(セーラ)を虐げてるのは実質ほとんどこのミンチン先生で、それに比べたらラヴィニアの嫌がらせなんてまったく可愛いものである。むしろあんな環境に置かれたら、ラヴィニアくらい意地が悪くなるのも当然ではないか。ってなんかやけにラヴィニアに甘いのは、名前が好きだからです(なんじゃそりゃ)。
冗談さておき(どこまでが?!)、私アニメ版の「小公女」でかなり印象的なシーンがあるんですけど、それは寄宿舎に立ち寄った両親にラヴィニアが、かつてセーラが使ってた部屋が欲しいと言って父親に打たれるシーンなんです。なんか、大泣きしてたけど、「良かったじゃんラヴィニア」って思ってしまった。彼女がいちばん欲してたものって、人から構われることだろう。こういう形でしかそれが満たされないというのもなんか非常に辛いというか、情けないものがあるが、あのシーンのラヴィニアって実は、かなり幸福なんじゃないだろうか。少なくとも彼女には父親がいて、娘の恥知らずな振るまいに対して怒ってくれているのだ。
寄宿舎を満たしているものは、少女たちの抱える圧倒的な寂しさじゃないか。それを紛らわすためにセーラを虐めてたりするのかと思うと、本当になんか、切なくなってきますね。なんで当時の「都会」というものは、こんなに歪んでて不健康なんでしょう?クララが車椅子から立てなくて、ハイジが夢遊病になるのも当然じゃないかって気がしてきます。国が違いますけど。あれ、時代も違う?(汗)
裕福なセーラたちとは違い、貧しいが故に親元を離れて奉公に来ているベッキーのようなこま使いの少女の方が、精神的には健全かもしれないですね。それにしても酷い扱われ方をされてるけども。

そんなわけで全然まとまりませんでしたが(すいません)、私が「小公女」を読んでいっつも感じてしまうのは、セーラの健気さよりも彼女を取り巻く社会の異常さなのでありました。

コメント

nophoto
シノ
2006年3月10日9:26

『ベッキー風メイド喫茶』なんてどうだろう。「お、おじょうさま〜。魔法でございます〜」……私なら絶対行く!同じ作家の『小公子』『秘密の花園』も大好きです。

nophoto
受験生S
2006年3月11日5:03

このアニメまねして頭にカップ&ソーサー乗っけて歩いてみた女子は私だけではないハズだ…(私だけ?)

ロクねーさん、一次の小論受かりました!!次の面接はオジ様相手に色仕掛けでがんばります。芸術界のエロテロリスト目指して(笑)
公の場で恐縮です、すみません。

アニス
アニス
2006年3月13日19:35

クロエ改めアニスです。
日記を始めたので、ぜひリンクを貼らして頂きたいと思いまして...よろしくどうぞ。

ロクハナ
ロクハナ
2006年3月14日23:25

>シノ
私も「秘密の花園」大好きさー。「小公子」は未読なので実はどんな話なのかさっぱり分かってない。セーラの親類なんでしょうか(たぶん違う)。ベッキー風メイド喫茶では、きっと芸能人のベッキーがメイド頭を勤めることになるでしょう。

>S
小論合格おめでとうございます。面接では「半脱ぎ」くらいで抑えておいて、「合格したら全部見せてあげる☆」とか言っておくと良いんじゃないでしょうか。M字開脚は最後まで取っておくんだ。

>アニス
リンクありがとうございました。あらためてよろしくお願いします。せっかくリンクはっていただいたのに、なかなか更新しない不精者で申し訳ない。ががが、がんばります。

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