DVD ワーナー・ホーム・ビデオ 2005/11/18 ¥1,500
スティーブン・キング原作のホラー小説を、鬼才キューブリック監督が映画化した問題作。雪に閉ざされたロッキー山上の大ホテルに、管理人としてやって来た小説家とその家族。しかしそのホテルには、前任者が家族を殺し、自殺するという呪われた過去があった…。

うああ、面白いなあ。原作と空気が全然違う。これ見た後で原作読むのは相当きついだろう。映画のインパクトに圧倒されて、原作の細かいエピソードだとか伏線だとか「なにをゴチャゴチャやっとんねん」としか思えないものな。
いや、参りました。子供の頃から「恐い映画」ということは知っていたけど、まさかこういう恐さとは思ってなかった。惨殺された死体だとか浴槽の中の腐乱死体だとか、まあそういう分かりやすくホラーなシーンもあるにはあるんだが、恐いのはむしろ何も起こらないシーンの方で。なんだこの色彩、なだこの奇妙なアングル、なんだこの耳鳴りしそうな息苦しい静けさ。それらが総て、あまりに美しいがために却って気色悪い。
主演のジャック・ニコルソンは、ホラーとして見てもギャグとして見てもいい演技してますね。あんなに凶暴さがみなぎってるのに、奥さんにバットで殴られて倉庫に閉じ込められたりだとか。息子にまんまと逃げられたりだとか。見事に「哀れな狂人」でした。
いつまでも終わらない1921年の華やかで退廃的なパーティも印象的。悪夢のような美しさ。ジャックの哀れさ。しばらく忘れられないと思います。

映画見る前に頑張って原作読んでおくと、細かい部分で「あ、アレか」と分かって若干楽しい。分からなくても十分楽しいけどな。

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