WANTED

2006年7月16日 読書 コメント (2)
子供の頃、講談社で出してる児童向けの名作シリーズが苦手でした。ちょっと難しい言葉が出るたびに横に注釈がしてあって、多分この丁寧な注釈が売りだったと思うんですが、注意力散漫な私はそういうことされると物語に全然集中できなくなってしまうんです。
でもまあ、しょうがないので田中康夫かお前はとかブツブツ文句言いながら読んでましたけどね。すいませんそこは嘘です。

今日久しぶりに図書館でその名作シリーズを開いてみて、「うわーこんなに字が大きかったのか」ということに打ちのめされました。子供の頃はすごく字がいっぱいの本に見えたものでしたが。今だったらあっという間に読み終わっちゃいますね。

子供の頃に読んだ本で、実は未だに探してる本があるんです。もっと真剣に探せば多分見つかると思うんですけど、いかんせん適当に探してるので全然見つかりません(当たり前だ)。今日はここでWANTEDするので、もし該当作品に心当たりの方がいらしたら是非ご一報ください。

作者の名前もタイトルも分かりません。海外の少女向け小説で、たぶん英語圏の作者だと思います。女性作家です。あとがきを読んだので覚えているのですが、「子供の頃の気持ちや記憶を今でもほとんど忘れていない」というようなことを言っていて、作品にそれがすごく良く出ていました。子供の私でも感心するくらいに(笑)。本国でもなかなか手堅い売れっ子作家、みたいな解説をされてたような気がします。主人公は多分10才くらいの女の子。もうちょっと上だったかも。ジェニファーとかレベッカとかいう普通の名前です。カレンだったかもしれないなあ。「カレンていうのはあんまりニックネームが付かない名前」みたいな記述があったような気がするんですが、別の作品とごっちゃにしてるだけかもしれません。
私が読んだ話で印象に残ってるのは、両親に離婚の気配が色濃くなってきて、主人公の女の子がなんとか思いとどまらせようとする話。ここで彼女が必至で考える計略が、本当に切実なんだけど浅はかで、キュンとくるんです。自分が図工の時間に作った船の模型(すごく良い出来だった)を家に持ち返って、是非お父さんに見てもらいたいと言おう。そうしたらお父さん(現在は別居中)は家に入ってきてくれるはず。そしてお母さんと顔を合わせて話をして、何もかも元通り上手くいくんじゃないか。そうだ、絶対そうなる!こういう子供独特の思考、理屈、思いつき、むちゃくちゃな理論の上に成り立つ信仰、みたいなものを、すごく的確に描いていてびっくりした思い出が。彼女が先生に「どうしてもあの船の作品がいるんです!あれが必要なんです!!持ち帰らせてください!!」って先生にお願いするときの切実さも胸に迫るが、最終的にそんな船の作品など何の役にも立たない現実に直面したときに、「そうだ、こんな簡単なことが何故分からなかったのだろう。いや本当はずっと分かっていたのかもしれない。私の考えでどうにかなるような状況ではないのだ」と瞬時に冷静に理解するヒロインを描くとこが凄い。上手い。私の書き方だと大袈裟に伝わりそうですが、ホントはもっとあっさり書かれてたはず。

手掛かりはこんな程度です。挿絵はあったような気がするんですが、ハッキリ「絶対あった」とは言えません。子供の意識では「中篇小説」という長さで捉えてましたが、多分今読んだらもっともっと短いでしょう。同じ作者の他の作品も2冊くらい読んだと思うんですが…。

ちょっと難しいと思いますが、お心当たりのある方は是非一報をお願い致します。

コメント

りす
りす
2006年7月15日23:57

そのまんま『レベッカ』というタイトルの少女小説があったはず。
読んでないけど……(笑)。

ロクハナ
ロクハナ
2006年7月16日1:10

ウィギンの「少女レベッカ」でしょうか…
デュ・モーリアの「レベッカ」ではないですよね(笑)。

真っ先にNOKKOを思い浮かべちゃったのは内緒です。

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