紙魚家崩壊―九つの謎
2006年3月18日 読書
ISBN:4062133660 単行本 北村 薫 講談社 2006/03 ¥1,575
出ましたよっていう宣伝だけ。
北村薫、長嶋有、村上春樹は、気がつくと買ってしまっている。いつもどれもすごく、予定外の出費。
出ましたよっていう宣伝だけ。
北村薫、長嶋有、村上春樹は、気がつくと買ってしまっている。いつもどれもすごく、予定外の出費。
ISBN:4047137294 コミック ゴツボ×リュウジ 角川書店 2005/06/25 ¥567
「オレが生徒会長になった暁には、全女子生徒の制服を『スク水』に。体育着はブルマーにする」
米原君の欲望って具体的で良いですね。ちなみに私だったら全男子生徒の制服を陸軍士官学校の制服に、体育着は「S.W.A.T.」仕様にしたいと思います。もちろん全員短髪で。そんなにキアヌが好きですか。そうです。
女子の制服?女子は別に何でも(なげやり)。うーん、とりあえず全員「t.A.T.u.」でいいや。
「S.W.A.T.」と書いてたら「t.A.T.u.」を思い出したという経緯がバレバレの文章ですいません。
「オレが生徒会長になった暁には、全女子生徒の制服を『スク水』に。体育着はブルマーにする」
米原君の欲望って具体的で良いですね。ちなみに私だったら全男子生徒の制服を陸軍士官学校の制服に、体育着は「S.W.A.T.」仕様にしたいと思います。もちろん全員短髪で。そんなにキアヌが好きですか。そうです。
女子の制服?女子は別に何でも(なげやり)。うーん、とりあえず全員「t.A.T.u.」でいいや。
「S.W.A.T.」と書いてたら「t.A.T.u.」を思い出したという経緯がバレバレの文章ですいません。
ISBN:4150102627 文庫 カート・ヴォネガット・ジュニア 早川書房 2000/00 ¥672
ブラッドベリを紹介したからにはヴォネガットも書かねば。と何故か繋げて考えてしまうのだよね。どこがどう繋がってんだか。
私実はヴォネガットとの出会いの方が、ブラッドベリより古いんですよ。私の大好きな大好きな大好きな大好きな、あんまり好き過ぎてホントに好きなのかどうかいまいち怪しいブローティガンの小説「愛のゆくえ」(新潮文庫。現在は絶版して別の出版社から出てます)の訳者後書きに、「今アメリカで最も愛されている作家は、リチャード・ブローティガンかカート・ヴォネガット・ジュニアだろう」というようなことが書いてあり、ブローティガンファンの私は勝手にライバル視しておりました。1回も読んだことないくせに。でもそこはそれ、やはり気になって試しに読んでみたらあっさり嵌まってしまったという。ちなみに最初に読んだ作品は「母なる夜」でした。ヴォネガットの代表作だと言われる割に何故かあまり読まれていない不思議な作品(笑)。内容を説明するのは難しいんですけど(私がアホなので)、なんと言ったらいいか、「可哀想なスパイ小説」でした。面白かったなあ。
で、「タイタンの妖女」。爆笑問題の太田がこれ大好きだそうで、その効果もあってかちょっと売れていたようだ。素敵な影響力。ブローティガンも大好きとか言ってくれないかな。
「タイタンの妖女」を読んだ私の率直な感想ですが、これは「ガツンとSF」でした。火星行ったり水星行ったりしてるからとかそういうことではなくて(そういう意味でもたっぷりSFではありますが)、ラムファードに操られるコンスタントの運命がもう、あまりに凄くてあまりに悲惨で、SF慣れしてない私はひたすらに「あわわわわわ」。地球で大富豪だったかと思えば火星で一切の記憶と自由を奪われた兵士となっており、水星では漂流生活、地球に戻ってくると途端に何故か救世主扱い。うおを。なんか物凄いことになってるのは分かるんだが、つ、ついて行けぬ…。そもそも最初の「時間等曲率漏斗」の説明からして頑張って読んでるのにさっぱり理解できず、「こんなの分かるだ。太田さんてすげえ」という本当にしょうもない感想を持つのがやっとの私。すいません、力不足で。
でもね、一ヵ所だけ物凄く心を捉えて離さない場面があるんですよ。地球から遠く離れたある場所に不時着した仲間のため、その星の人は地球人を使って万里の長城だとか宮殿だとかを作らせ、それらをメッセージとして仲間に見せるのだけど、そのメッセージの内容が「交換部品もっか至急製作中」だの「お前を忘れたわけではない」だの、なんかもう、実にガックリくるようなしょうもない言葉ばっかりなのだ。あれだけ地球人の労力使わせといてそれですか?!と思うと、もう泣けるやら笑えるやら…。こういうのってちょっと、脱力しちゃって良いよね。
苦労して読んだけど確かに面白いですよ。興味持った方は頑張って挑戦してみてくだされ。そして私に「時間等曲率漏斗」を教えてください。
ブラッドベリを紹介したからにはヴォネガットも書かねば。と何故か繋げて考えてしまうのだよね。どこがどう繋がってんだか。
私実はヴォネガットとの出会いの方が、ブラッドベリより古いんですよ。私の大好きな大好きな大好きな大好きな、あんまり好き過ぎてホントに好きなのかどうかいまいち怪しいブローティガンの小説「愛のゆくえ」(新潮文庫。現在は絶版して別の出版社から出てます)の訳者後書きに、「今アメリカで最も愛されている作家は、リチャード・ブローティガンかカート・ヴォネガット・ジュニアだろう」というようなことが書いてあり、ブローティガンファンの私は勝手にライバル視しておりました。1回も読んだことないくせに。でもそこはそれ、やはり気になって試しに読んでみたらあっさり嵌まってしまったという。ちなみに最初に読んだ作品は「母なる夜」でした。ヴォネガットの代表作だと言われる割に何故かあまり読まれていない不思議な作品(笑)。内容を説明するのは難しいんですけど(私がアホなので)、なんと言ったらいいか、「可哀想なスパイ小説」でした。面白かったなあ。
で、「タイタンの妖女」。爆笑問題の太田がこれ大好きだそうで、その効果もあってかちょっと売れていたようだ。素敵な影響力。ブローティガンも大好きとか言ってくれないかな。
「タイタンの妖女」を読んだ私の率直な感想ですが、これは「ガツンとSF」でした。火星行ったり水星行ったりしてるからとかそういうことではなくて(そういう意味でもたっぷりSFではありますが)、ラムファードに操られるコンスタントの運命がもう、あまりに凄くてあまりに悲惨で、SF慣れしてない私はひたすらに「あわわわわわ」。地球で大富豪だったかと思えば火星で一切の記憶と自由を奪われた兵士となっており、水星では漂流生活、地球に戻ってくると途端に何故か救世主扱い。うおを。なんか物凄いことになってるのは分かるんだが、つ、ついて行けぬ…。そもそも最初の「時間等曲率漏斗」の説明からして頑張って読んでるのにさっぱり理解できず、「こんなの分かるだ。太田さんてすげえ」という本当にしょうもない感想を持つのがやっとの私。すいません、力不足で。
でもね、一ヵ所だけ物凄く心を捉えて離さない場面があるんですよ。地球から遠く離れたある場所に不時着した仲間のため、その星の人は地球人を使って万里の長城だとか宮殿だとかを作らせ、それらをメッセージとして仲間に見せるのだけど、そのメッセージの内容が「交換部品もっか至急製作中」だの「お前を忘れたわけではない」だの、なんかもう、実にガックリくるようなしょうもない言葉ばっかりなのだ。あれだけ地球人の労力使わせといてそれですか?!と思うと、もう泣けるやら笑えるやら…。こういうのってちょっと、脱力しちゃって良いよね。
苦労して読んだけど確かに面白いですよ。興味持った方は頑張って挑戦してみてくだされ。そして私に「時間等曲率漏斗」を教えてください。
ISBN:415040111X 文庫 レイ・ブラッドベリ 早川書房 1976/02 ¥441
まだ読みかけなんだけど我慢できないから書いてしまおう。この短篇集はすごく良いね。なんで画像出ないんだろうね。「ロケット・マン」なんて有名だからもう3回くらい読んでると思うんだけど、それでもやっぱり、また静かに読んでしまう。
「もし父さんが金星で亡くなったら?きっと金星を見るのもいやになるでしょう。もし火星で亡くなったら?きっと、空で真っ赤に光っている火星なんか見るのもいやで、うちに入って、ドアに鍵をかけるでしょう。でなければ、木星か、土星か、海王星で亡くなったら?そういう惑星が空に出ている晩は、星空なんか見るのもいやになるでしょう」
父さんが死んだ場所は、火星でも、金星でも、木星でも、土星でもなかった。木星や土星や火星が空に輝くたんびにぼくたちは父さんのことを思い出さなくてすむ。
そういう場所じゃない。
最後に雨の中を散歩する母と息子の姿が、いつまでもいつまでも忘れられず、脳裏に焼きついている。
ロケットが破裂して、乗組員がひたすらに落ちてゆくだけの話。月や地球や、流星群へ向かって。「君はどっちへ進んでる?」「どうやら月にぶつかるらしい」「おれは地球だ。なつかしの地球へ、時速1万マイルで帰還だ。きっとマッチみたいに燃えるぜ」落ちてゆく、落ちてゆく。「さよなら」「さよなら」「しっかりやれよ」「馬鹿なこと言うなよ」
……ああ、たまらんなあ。全部読んだらあらためて感想書こうと思います。
まだ読みかけなんだけど我慢できないから書いてしまおう。この短篇集はすごく良いね。なんで画像出ないんだろうね。「ロケット・マン」なんて有名だからもう3回くらい読んでると思うんだけど、それでもやっぱり、また静かに読んでしまう。
「もし父さんが金星で亡くなったら?きっと金星を見るのもいやになるでしょう。もし火星で亡くなったら?きっと、空で真っ赤に光っている火星なんか見るのもいやで、うちに入って、ドアに鍵をかけるでしょう。でなければ、木星か、土星か、海王星で亡くなったら?そういう惑星が空に出ている晩は、星空なんか見るのもいやになるでしょう」
父さんが死んだ場所は、火星でも、金星でも、木星でも、土星でもなかった。木星や土星や火星が空に輝くたんびにぼくたちは父さんのことを思い出さなくてすむ。
そういう場所じゃない。
最後に雨の中を散歩する母と息子の姿が、いつまでもいつまでも忘れられず、脳裏に焼きついている。
ロケットが破裂して、乗組員がひたすらに落ちてゆくだけの話。月や地球や、流星群へ向かって。「君はどっちへ進んでる?」「どうやら月にぶつかるらしい」「おれは地球だ。なつかしの地球へ、時速1万マイルで帰還だ。きっとマッチみたいに燃えるぜ」落ちてゆく、落ちてゆく。「さよなら」「さよなら」「しっかりやれよ」「馬鹿なこと言うなよ」
……ああ、たまらんなあ。全部読んだらあらためて感想書こうと思います。
ISBN:4480687025 新書 内田 樹 筑摩書房 2005/01 ¥798
やあ、面白いですね内田樹。他の著書も借りようとしたら全部貸し出し中でした。うーん人気者め。
「そうですか?ほんとうに?」「みなさんてそんなに俗物なんですか?」「もちろんそんな意味じゃないですよ。まさかね」こういうヘラヘラしてるわりに隙のない書き方は好きですよ。困ったことに。
クロマニヨン人の沈黙交易やラカンの「人間は前未来形で過去を回想する」を分かりやすく説明してくれてる点だけでも十分面白くて有り難い。内田樹がいなかったら、私はラカン読めません(たーぶん)。最初の「恋愛が誤解に基づいたものであるのと同様、師弟関係も誤解に基づくもの」の説明はホント入りやすくて助かりますね。誤解力が強くて師匠が100人くらいいる私にとっては、大変説得力のあるお話でした。彼氏は100人もいませんが。
主題の先生云々は置いといたとしてもですね(え?!置くの??)、コミニュケーションのメカニズムとしてとても面白い話が読めるんじゃないでしょうか。ウチの図書館ではいまのところ、私しか借りてないってのが本当に勿体無いなあと思う。
やあ、面白いですね内田樹。他の著書も借りようとしたら全部貸し出し中でした。うーん人気者め。
「そうですか?ほんとうに?」「みなさんてそんなに俗物なんですか?」「もちろんそんな意味じゃないですよ。まさかね」こういうヘラヘラしてるわりに隙のない書き方は好きですよ。困ったことに。
クロマニヨン人の沈黙交易やラカンの「人間は前未来形で過去を回想する」を分かりやすく説明してくれてる点だけでも十分面白くて有り難い。内田樹がいなかったら、私はラカン読めません(たーぶん)。最初の「恋愛が誤解に基づいたものであるのと同様、師弟関係も誤解に基づくもの」の説明はホント入りやすくて助かりますね。誤解力が強くて師匠が100人くらいいる私にとっては、大変説得力のあるお話でした。彼氏は100人もいませんが。
主題の先生云々は置いといたとしてもですね(え?!置くの??)、コミニュケーションのメカニズムとしてとても面白い話が読めるんじゃないでしょうか。ウチの図書館ではいまのところ、私しか借りてないってのが本当に勿体無いなあと思う。
ISBN:4898290345 コミック 柴田 昌弘 ワニマガジン社 1995/10 ¥2,018
友達からエロマンガいただきました。何故か何度も楽しく読んでおります。多分私にちょうど良いエロ加減なんでしょうね。やー面白かった。ありがとう友達たち。
このマンガ借りたい男子学生は、ここに書き込みやがれば特別貸してやってもいいです。
友達からエロマンガいただきました。何故か何度も楽しく読んでおります。多分私にちょうど良いエロ加減なんでしょうね。やー面白かった。ありがとう友達たち。
このマンガ借りたい男子学生は、ここに書き込みやがれば特別貸してやってもいいです。
火星年代記 メモリアル・エディション
2006年3月10日 読書
DVD 紀伊國屋書店 2005/12/22 ¥16,800
紀伊国屋行くたびにこの映像が流れてるので気になって仕方ない。私はレイ・ブラッドベリが大好きだが、「火星年代記」のTVドラマ版は存在すら知らなかった。有名なのか?みんな知ってるの?ひょっとしてヴォネガットの「タイタンの妖女」なんかもドラマ版あったりして??
なかった(だろうな)。
ドラマ版については何ひとつ知らないので、原作「火星年代記」について書きます。
たぶん、多くの人が、思ってたのと全然違う物語を読むことになったのではないでしょうか?少なくとも私はそうでしたが。有名な古典SFなのでオチだけ知ってる人も多いと思うけど、そこへ行きつく過程がまさかあんなに、詩情に満ちたエピソードの断片だとは思ってもいなかったのでは。
私が印象に残っているのは、火星を目指していたはずの宇宙船が何故か過去の地球(らしき場所)へと降り立ってしまった話。かつて自分が暮らしていた懐かしい町、今はもう亡くなっているはずの両親、兄弟、友達が、若々しく、健康な姿で自分を迎えてくれる。懐かしい笑みを浮かべて。親しげに。幸福そうに。「こいつめ、どこ行ってたんだよ」駆け出さずにいられようか?「宇宙船で待機せよ」そんな命令に従える者は誰一人いなかった。この町全体の醸し出す、息の詰まるような幸福感と悪夢のような気持ち悪さに私はすっかり参ってしまう。自分がかつて少年時代を過ごした子供部屋、ニ段ベッドや机、立てかけてあるバットとグローブ、壁や柱の模様も傷も、すべてがそのまま。昔のまま。どれもこれも懐かしく、幸福に満ちている。あまりにも。おぞましいほどに。美しく。輝きに満ちて。若々しく。色あせながら。
素晴らしい!吐きそうだ!助けてくれ!誰か!!幸福の洪水にむせ返る!!読んでて文章に酔ったんじゃないかというくらい、頭がくらくらして眩暈まで起こしかけた。素敵だな、こんな火星旅行。二度と行けないんじゃないかしら。
ブラッドベリは短篇もいっぱい書いてるけど、最初に読むならやっぱり「火星年代記」を推します。私は「華氏四五一度」でしたが。書物に火がつき、燃え上がる温度――。これもいいよなあ、最初からちゃんと恐くて。SFを読んだことがない方へ、特にお勧めしたい。
紀伊国屋行くたびにこの映像が流れてるので気になって仕方ない。私はレイ・ブラッドベリが大好きだが、「火星年代記」のTVドラマ版は存在すら知らなかった。有名なのか?みんな知ってるの?ひょっとしてヴォネガットの「タイタンの妖女」なんかもドラマ版あったりして??
なかった(だろうな)。
ドラマ版については何ひとつ知らないので、原作「火星年代記」について書きます。
たぶん、多くの人が、思ってたのと全然違う物語を読むことになったのではないでしょうか?少なくとも私はそうでしたが。有名な古典SFなのでオチだけ知ってる人も多いと思うけど、そこへ行きつく過程がまさかあんなに、詩情に満ちたエピソードの断片だとは思ってもいなかったのでは。
私が印象に残っているのは、火星を目指していたはずの宇宙船が何故か過去の地球(らしき場所)へと降り立ってしまった話。かつて自分が暮らしていた懐かしい町、今はもう亡くなっているはずの両親、兄弟、友達が、若々しく、健康な姿で自分を迎えてくれる。懐かしい笑みを浮かべて。親しげに。幸福そうに。「こいつめ、どこ行ってたんだよ」駆け出さずにいられようか?「宇宙船で待機せよ」そんな命令に従える者は誰一人いなかった。この町全体の醸し出す、息の詰まるような幸福感と悪夢のような気持ち悪さに私はすっかり参ってしまう。自分がかつて少年時代を過ごした子供部屋、ニ段ベッドや机、立てかけてあるバットとグローブ、壁や柱の模様も傷も、すべてがそのまま。昔のまま。どれもこれも懐かしく、幸福に満ちている。あまりにも。おぞましいほどに。美しく。輝きに満ちて。若々しく。色あせながら。
素晴らしい!吐きそうだ!助けてくれ!誰か!!幸福の洪水にむせ返る!!読んでて文章に酔ったんじゃないかというくらい、頭がくらくらして眩暈まで起こしかけた。素敵だな、こんな火星旅行。二度と行けないんじゃないかしら。
ブラッドベリは短篇もいっぱい書いてるけど、最初に読むならやっぱり「火星年代記」を推します。私は「華氏四五一度」でしたが。書物に火がつき、燃え上がる温度――。これもいいよなあ、最初からちゃんと恐くて。SFを読んだことがない方へ、特にお勧めしたい。
ISBN:4102214011 文庫 Frances Hodgson Burnett 新潮社 1953/12 ¥580
アーメンガードという名前を聞いただけで、懐かしさに打ち震える女子も多いのではないか。これが世に言う「ハウス名作劇場効果」(適当に言ってるだけですから適当に聞き流してくださいね。いつものことですけど)。
まったくいつ読んでも酷い話だと思うんですが(笑)、それでいてついつい読んでしまうんだよなあ。年端もいかない少女たちを寄宿舎に任せっきりにして、一年のほとんどを仕事だか社交だかに費やすという親の神経がまずなかなか信じられず、たとえそれが当時は当然の「躾」だったにせよ「ステイタス」だったにせよ、本当に仕事の都合でそうするしかなかったにせよ、率直に言わせていただいて「歪んどるなあ」と(笑)。だいたい寄宿舎を経営(?)しているミンチン先生とその妹からして歪みまくりではないか。よくこんな人たちに娘を預ける気になったものだ。主人公のサアラ(セーラ)を虐げてるのは実質ほとんどこのミンチン先生で、それに比べたらラヴィニアの嫌がらせなんてまったく可愛いものである。むしろあんな環境に置かれたら、ラヴィニアくらい意地が悪くなるのも当然ではないか。ってなんかやけにラヴィニアに甘いのは、名前が好きだからです(なんじゃそりゃ)。
冗談さておき(どこまでが?!)、私アニメ版の「小公女」でかなり印象的なシーンがあるんですけど、それは寄宿舎に立ち寄った両親にラヴィニアが、かつてセーラが使ってた部屋が欲しいと言って父親に打たれるシーンなんです。なんか、大泣きしてたけど、「良かったじゃんラヴィニア」って思ってしまった。彼女がいちばん欲してたものって、人から構われることだろう。こういう形でしかそれが満たされないというのもなんか非常に辛いというか、情けないものがあるが、あのシーンのラヴィニアって実は、かなり幸福なんじゃないだろうか。少なくとも彼女には父親がいて、娘の恥知らずな振るまいに対して怒ってくれているのだ。
寄宿舎を満たしているものは、少女たちの抱える圧倒的な寂しさじゃないか。それを紛らわすためにセーラを虐めてたりするのかと思うと、本当になんか、切なくなってきますね。なんで当時の「都会」というものは、こんなに歪んでて不健康なんでしょう?クララが車椅子から立てなくて、ハイジが夢遊病になるのも当然じゃないかって気がしてきます。国が違いますけど。あれ、時代も違う?(汗)
裕福なセーラたちとは違い、貧しいが故に親元を離れて奉公に来ているベッキーのようなこま使いの少女の方が、精神的には健全かもしれないですね。それにしても酷い扱われ方をされてるけども。
そんなわけで全然まとまりませんでしたが(すいません)、私が「小公女」を読んでいっつも感じてしまうのは、セーラの健気さよりも彼女を取り巻く社会の異常さなのでありました。
アーメンガードという名前を聞いただけで、懐かしさに打ち震える女子も多いのではないか。これが世に言う「ハウス名作劇場効果」(適当に言ってるだけですから適当に聞き流してくださいね。いつものことですけど)。
まったくいつ読んでも酷い話だと思うんですが(笑)、それでいてついつい読んでしまうんだよなあ。年端もいかない少女たちを寄宿舎に任せっきりにして、一年のほとんどを仕事だか社交だかに費やすという親の神経がまずなかなか信じられず、たとえそれが当時は当然の「躾」だったにせよ「ステイタス」だったにせよ、本当に仕事の都合でそうするしかなかったにせよ、率直に言わせていただいて「歪んどるなあ」と(笑)。だいたい寄宿舎を経営(?)しているミンチン先生とその妹からして歪みまくりではないか。よくこんな人たちに娘を預ける気になったものだ。主人公のサアラ(セーラ)を虐げてるのは実質ほとんどこのミンチン先生で、それに比べたらラヴィニアの嫌がらせなんてまったく可愛いものである。むしろあんな環境に置かれたら、ラヴィニアくらい意地が悪くなるのも当然ではないか。ってなんかやけにラヴィニアに甘いのは、名前が好きだからです(なんじゃそりゃ)。
冗談さておき(どこまでが?!)、私アニメ版の「小公女」でかなり印象的なシーンがあるんですけど、それは寄宿舎に立ち寄った両親にラヴィニアが、かつてセーラが使ってた部屋が欲しいと言って父親に打たれるシーンなんです。なんか、大泣きしてたけど、「良かったじゃんラヴィニア」って思ってしまった。彼女がいちばん欲してたものって、人から構われることだろう。こういう形でしかそれが満たされないというのもなんか非常に辛いというか、情けないものがあるが、あのシーンのラヴィニアって実は、かなり幸福なんじゃないだろうか。少なくとも彼女には父親がいて、娘の恥知らずな振るまいに対して怒ってくれているのだ。
寄宿舎を満たしているものは、少女たちの抱える圧倒的な寂しさじゃないか。それを紛らわすためにセーラを虐めてたりするのかと思うと、本当になんか、切なくなってきますね。なんで当時の「都会」というものは、こんなに歪んでて不健康なんでしょう?クララが車椅子から立てなくて、ハイジが夢遊病になるのも当然じゃないかって気がしてきます。国が違いますけど。あれ、時代も違う?(汗)
裕福なセーラたちとは違い、貧しいが故に親元を離れて奉公に来ているベッキーのようなこま使いの少女の方が、精神的には健全かもしれないですね。それにしても酷い扱われ方をされてるけども。
そんなわけで全然まとまりませんでしたが(すいません)、私が「小公女」を読んでいっつも感じてしまうのは、セーラの健気さよりも彼女を取り巻く社会の異常さなのでありました。
ISBN:4167275589 文庫 Stephen King 文藝春秋 1986/11 ¥660
うむ、面白かった。現在のエンターテイメント作家の方は、こういうのをさんざん読んできたのだろうな。
初めは主人公の一家が抱えているさまざまな問題や過去の傷などが語られ、ああ、彼らは後半でどうやってこれらのエピソードに責め苛まれるんだろうと思うともう、読んでてわくわくしちゃいますね。映画で見てる人は内容知ってるだけに途中で飽きちゃうと思うんだけど(なんたって一家を狂気に落とし入れ、崩壊させるまでにはかなり時間がかかるから)、私は映画知らないせいか、じわじわとおかしくなっていく彼らを根気良く見守ることができました。家族それぞれの「筋の通った言い分」が、筋は通ったままだんだんおかしくなっていく、というかおかしくなるほど筋の通ったものになっていく様がすごい。上手い。後半はホテルの存在自体が極端に影響を及ぼすので分かりやすいが、前半でも既にそれに侵されつつあることがよく分かる。
最初はホテルの説明やら過去のエピソードの羅列やらで、これはこれで面白いのだが「早く始まらないかなー」と思ってる人にはちょっと退屈かもしれない。でもそういう人も、頑張って是非「ハローランさん」が出るとこまで読んでほしい。そしたら後は結構一気に行ける。と思う。なんたってダニー(息子)とハローランさんの交流ほど、あたたかい気持ちになれるとこはないから。一瞬だけどね。「かがやき(シャイニング)」という特異な(それも極めて強い)性質を持ったダニーが、始めて自分と同じ性質を持つハローランさんに出会うことで得られる喜び。自分を理解してくれる人がいたということ。私はこういうのに滅法弱い。ここでやっと物語に入り込めた私は、後は流れに乗って淀みなく読み進むことができました。ハローランさんありがとう。
ところでボイラー室に置いてあるファイルを作ったのはワトスンだと私は思うんですが、それじゃオチとして捻りが無さ過ぎますか?
うむ、面白かった。現在のエンターテイメント作家の方は、こういうのをさんざん読んできたのだろうな。
初めは主人公の一家が抱えているさまざまな問題や過去の傷などが語られ、ああ、彼らは後半でどうやってこれらのエピソードに責め苛まれるんだろうと思うともう、読んでてわくわくしちゃいますね。映画で見てる人は内容知ってるだけに途中で飽きちゃうと思うんだけど(なんたって一家を狂気に落とし入れ、崩壊させるまでにはかなり時間がかかるから)、私は映画知らないせいか、じわじわとおかしくなっていく彼らを根気良く見守ることができました。家族それぞれの「筋の通った言い分」が、筋は通ったままだんだんおかしくなっていく、というかおかしくなるほど筋の通ったものになっていく様がすごい。上手い。後半はホテルの存在自体が極端に影響を及ぼすので分かりやすいが、前半でも既にそれに侵されつつあることがよく分かる。
最初はホテルの説明やら過去のエピソードの羅列やらで、これはこれで面白いのだが「早く始まらないかなー」と思ってる人にはちょっと退屈かもしれない。でもそういう人も、頑張って是非「ハローランさん」が出るとこまで読んでほしい。そしたら後は結構一気に行ける。と思う。なんたってダニー(息子)とハローランさんの交流ほど、あたたかい気持ちになれるとこはないから。一瞬だけどね。「かがやき(シャイニング)」という特異な(それも極めて強い)性質を持ったダニーが、始めて自分と同じ性質を持つハローランさんに出会うことで得られる喜び。自分を理解してくれる人がいたということ。私はこういうのに滅法弱い。ここでやっと物語に入り込めた私は、後は流れに乗って淀みなく読み進むことができました。ハローランさんありがとう。
ところでボイラー室に置いてあるファイルを作ったのはワトスンだと私は思うんですが、それじゃオチとして捻りが無さ過ぎますか?
ISBN:448776081X 単行本 Beverly Cleary 東京書籍 1990/02 ¥1,121
ブックオフで表紙見た途端キュンとなってしまった。表紙お見せできなくて残念。素描で描かれているポニーテールの少女といい、くすんだ青色に白抜きで書かれたタイトルといい、その上に小さく書かれた「シリーズ・永遠のアメリカ文学2」という文字といい、何もかもが懐かしくて切なくて、ちょっと泣きそうになる。青春恋愛小説の古典でありながら、なんて瑞々しいんだ。思わず買ってしまった。
私が10代の頃はかなりの確率で、「お薦めのヤングアダルト本」にこの本が紹介されていたと思う。少なくとも「オリーブ」(雑誌)には載っていた。載っていた気がする。最近はあまり売ってないんだとしたら本当に残念。1回でも読んだことある人なら共感してくれると思うんだけど、「フィフティーン」くらい堪らない青春小説はないよ!50年代アメリカのお約束恋愛ストーリーが、何でこんなにぐっとくるんだよ、と自分に突っ込みながらやっぱり感動してしまうという。やりすぎない、感傷的になりすぎない、押しつけがましくない、手を抜いてない、とっても真摯で丁寧で、素敵な文章だと私は思います。
「今日こそ、きっと素敵な男の子に逢える」というジェーンの密かな願い事で始まるこの物語。舗道の亀裂を踏まずに歩けたら、真っ赤なコンヴァーティブルを100台数えたら……彼女の空想は、そこへ通りかかったマーシーに声をかけられて遮られる。マーシーからジェーンへの視線は、「夏の日に、人気のある男の子とコンヴァーティブルでドライヴしている女の子から、たったひとりで歩いている女の子へ向けての嘲笑といった方が良かった」。そんなジェーンがベビーシッター先で本当に素敵な男の子と偶然出会って、彼は誰?名前は?どうやったらもう一度会える??と悩みまくり、再会できたらできたで今度は、デートに行くにも自分の持ってる服が全部子供じみて見えたり、バカな真似して嫌われるんじゃないか、退屈な女の子と思われるんじゃないかと気を揉むことの連続。気にしなくて良いことばかり気にして、些細なことでどん底まで落ち込んで、またほんのちょっとしたことで信じられないくらい幸福になれる。2週間後のデートが待ちきれず、「2週間!そんなに長く生きてられるだろうか?」いかにも10代の女の子って感じで、初々しくて良いね、と思われたみなさん、ちょっと白状すると私は未だにそんな感じです。自分に全然自信が持てないジェーンが、最後に勇気をふり絞って行動を起こすシーンはホント胸が熱くなる。頑張れジェーン。
バカなことばっかりやってしまうのは自分に自信がなかったからだ。他の女の子と比べて引け目を感じたり精彩を欠いているなどと思ったりする必要は全然なかった。私に欠けているのは自信だけだ。なぜ気付かなかったのだろう??そう思い至った後の彼女は見違えるほど魅力的に生まれ変わる。相変わらず不運やトラブルにも見舞われるけど、下らない心配事になんか見向きもしない。だけどジェーンは本当は知っている。人ってそんなに簡単には生まれ変われない。だからいつも、卑屈な自分に負けないよう、心の中で唱えるのだ。「私は勇敢な女の子」ひたむきな願いは、きっと叶うはず。
ブックオフで表紙見た途端キュンとなってしまった。表紙お見せできなくて残念。素描で描かれているポニーテールの少女といい、くすんだ青色に白抜きで書かれたタイトルといい、その上に小さく書かれた「シリーズ・永遠のアメリカ文学2」という文字といい、何もかもが懐かしくて切なくて、ちょっと泣きそうになる。青春恋愛小説の古典でありながら、なんて瑞々しいんだ。思わず買ってしまった。
私が10代の頃はかなりの確率で、「お薦めのヤングアダルト本」にこの本が紹介されていたと思う。少なくとも「オリーブ」(雑誌)には載っていた。載っていた気がする。最近はあまり売ってないんだとしたら本当に残念。1回でも読んだことある人なら共感してくれると思うんだけど、「フィフティーン」くらい堪らない青春小説はないよ!50年代アメリカのお約束恋愛ストーリーが、何でこんなにぐっとくるんだよ、と自分に突っ込みながらやっぱり感動してしまうという。やりすぎない、感傷的になりすぎない、押しつけがましくない、手を抜いてない、とっても真摯で丁寧で、素敵な文章だと私は思います。
「今日こそ、きっと素敵な男の子に逢える」というジェーンの密かな願い事で始まるこの物語。舗道の亀裂を踏まずに歩けたら、真っ赤なコンヴァーティブルを100台数えたら……彼女の空想は、そこへ通りかかったマーシーに声をかけられて遮られる。マーシーからジェーンへの視線は、「夏の日に、人気のある男の子とコンヴァーティブルでドライヴしている女の子から、たったひとりで歩いている女の子へ向けての嘲笑といった方が良かった」。そんなジェーンがベビーシッター先で本当に素敵な男の子と偶然出会って、彼は誰?名前は?どうやったらもう一度会える??と悩みまくり、再会できたらできたで今度は、デートに行くにも自分の持ってる服が全部子供じみて見えたり、バカな真似して嫌われるんじゃないか、退屈な女の子と思われるんじゃないかと気を揉むことの連続。気にしなくて良いことばかり気にして、些細なことでどん底まで落ち込んで、またほんのちょっとしたことで信じられないくらい幸福になれる。2週間後のデートが待ちきれず、「2週間!そんなに長く生きてられるだろうか?」いかにも10代の女の子って感じで、初々しくて良いね、と思われたみなさん、ちょっと白状すると私は未だにそんな感じです。自分に全然自信が持てないジェーンが、最後に勇気をふり絞って行動を起こすシーンはホント胸が熱くなる。頑張れジェーン。
バカなことばっかりやってしまうのは自分に自信がなかったからだ。他の女の子と比べて引け目を感じたり精彩を欠いているなどと思ったりする必要は全然なかった。私に欠けているのは自信だけだ。なぜ気付かなかったのだろう??そう思い至った後の彼女は見違えるほど魅力的に生まれ変わる。相変わらず不運やトラブルにも見舞われるけど、下らない心配事になんか見向きもしない。だけどジェーンは本当は知っている。人ってそんなに簡単には生まれ変われない。だからいつも、卑屈な自分に負けないよう、心の中で唱えるのだ。「私は勇敢な女の子」ひたむきな願いは、きっと叶うはず。
女の子の大好きなお弁当―母もらくちん娘も作れる簡単レシピ
2006年2月25日 読書 コメント (5)
ISBN:4579209176 単行本 藤野 嘉子 文化出版局 2004/09 ¥1,470
お菓子に続いて、お弁当作りに挑みます。
とりあえず図書館でこれ借りてきました。
この場合、私を「女の子」と呼べるのかどうかは問題ではない。
お菓子に続いて、お弁当作りに挑みます。
とりあえず図書館でこれ借りてきました。
この場合、私を「女の子」と呼べるのかどうかは問題ではない。
買いっぱなしですっかり忘れてた女性誌に目を通す。ファッション誌だろうと何だろうと、地味な「書評」欄から読んでしまう自分は誰より欲望に忠実だ。「FRaU」はファション誌のわりに読み物が結構面白く、活字中毒者にうってつけである。「どんな雑誌読んでますか?」と聞かれて「フラウ」と答えても、十中八九「は?」と言われるが。「女性誌ですよね?」「そうですよ」「ファッション誌ですか?」「そうですが」たまにアンケートにちゃんと答えてやればこれである。ロクハナはアンケートが嫌いだ。
たまたま読んだ連載エッセイ(今回は「美味しんぼ」についてである)がめちゃめちゃ面白く、わはははは、誰だこれ書いてるの?と思って筆者を確認したらブルボン小林と書いてあった。長嶋有じゃんか!!そりゃ面白いわけである。枡野浩一や町田康が連載してるのは知ってたが、長嶋有まで抱えてたとは。やるなFRaU。下手な文芸雑誌よりよっぽど面白いぞ。この調子でどんどんいろんな作家抱えていってください。
たまたま読んだ連載エッセイ(今回は「美味しんぼ」についてである)がめちゃめちゃ面白く、わはははは、誰だこれ書いてるの?と思って筆者を確認したらブルボン小林と書いてあった。長嶋有じゃんか!!そりゃ面白いわけである。枡野浩一や町田康が連載してるのは知ってたが、長嶋有まで抱えてたとは。やるなFRaU。下手な文芸雑誌よりよっぽど面白いぞ。この調子でどんどんいろんな作家抱えていってください。
世界のお茶、ふだんのお茶
2006年2月20日 読書 コメント (2)
ISBN:4794928823 単行本 ティータイムブックス編集部 晶文社 1998/07 ¥1,995
たかが紅茶ごときに熱弁をふるうジョージ・オーウェルの記事が素敵ですよ。紅茶の入れ方について書いてるだけの文章なのになんて味わい深いんだ、という。せっかくのお茶を台無しにしてしまうような飲み方に堪えられないんでしょうね。わかる分かる、私もそうだから(ってオーウェルに向かってタメ口かい)。基本的に私も彼の入れ方に賛成です。ポットを温める方法として「暖炉のそばに置く」ってとこだけ真似出来ないのが残念ですが。
紅茶、ハーブティー、中国茶、韓国茶、日本茶、その他世界のお茶についての味わい方、入れ方はもちろん、いろんなエピソードが満載でとても面白かった。ハウツー本と言うよりはむしろ、読み物として楽しめます。私はハーブティーついてほとんど知識がなかったので、「ハーブティーは基本的にブレンド」という常識を知っただけでかなり目からウロコ。カモミールティーだとか、ブレンドでないお茶もあるにはあるけど、「1種類のものだけを摂取するのは身体に負担がかかる」という考え方から基本的にいくつかのブレンドで飲むのが普通だとか。そして気取った席で飲むお茶というよりは、キッチンでひとり飲むお茶といった趣が強いそう。なんかそう聞くと、暖かさとか親しみのようなものがわいて「あ、ちょっと飲んでみたいなあ」と思わないか?少なくとも「ポプリを煮出したような得体の知れない飲み物」といった誤解はこの本で解けるはず(笑)。紅茶についても、書き手の好みが「アッサムのミルクティー」ってだけで既に私は好感持ってしまいます。紅茶と言ったらダージリン、というお約束の展開じゃないところが良いね。もちろんいろんな茶葉を説明してくれるんだけど、自分は何が好きでどんな風に紅茶を広めようとしたかを、すごく楽しそうに語ってくれてるところが素敵だなあと思いました。日本茶については、著者が深蒸しの濃いお茶にちょっと驚いてるところが好きです。はっきり書いてはいないけど、多分そんなに、好みではないんでしょう(笑)。実は私も深蒸し茶がちょっと苦手で(前のバイト先でさんざん売っていたにも関わらず苦手なのです)、深蒸し以外のお茶をたくさん紹介してくれるとそれだけで嬉しくなってしまいます。煎茶を「熱湯ではなく70度に冷ましたお湯でいれたらすごく美味しくてびっくりした」というあの感動は凄く分かる。煎茶は温度に気をつけるだけで飛躍的に美味しくなるよね。
初心者もベテランも、ちょうどいい具合に楽しませてくれる「ワーズワースの庭で」のような本。そういえば「ワーズワースの庭で」第1回目の放送は、テーマが「紅茶」でしたね。もうすっかり古い話なので、何人通じてるんだろうと書きながら少し不安。
たかが紅茶ごときに熱弁をふるうジョージ・オーウェルの記事が素敵ですよ。紅茶の入れ方について書いてるだけの文章なのになんて味わい深いんだ、という。せっかくのお茶を台無しにしてしまうような飲み方に堪えられないんでしょうね。わかる分かる、私もそうだから(ってオーウェルに向かってタメ口かい)。基本的に私も彼の入れ方に賛成です。ポットを温める方法として「暖炉のそばに置く」ってとこだけ真似出来ないのが残念ですが。
紅茶、ハーブティー、中国茶、韓国茶、日本茶、その他世界のお茶についての味わい方、入れ方はもちろん、いろんなエピソードが満載でとても面白かった。ハウツー本と言うよりはむしろ、読み物として楽しめます。私はハーブティーついてほとんど知識がなかったので、「ハーブティーは基本的にブレンド」という常識を知っただけでかなり目からウロコ。カモミールティーだとか、ブレンドでないお茶もあるにはあるけど、「1種類のものだけを摂取するのは身体に負担がかかる」という考え方から基本的にいくつかのブレンドで飲むのが普通だとか。そして気取った席で飲むお茶というよりは、キッチンでひとり飲むお茶といった趣が強いそう。なんかそう聞くと、暖かさとか親しみのようなものがわいて「あ、ちょっと飲んでみたいなあ」と思わないか?少なくとも「ポプリを煮出したような得体の知れない飲み物」といった誤解はこの本で解けるはず(笑)。紅茶についても、書き手の好みが「アッサムのミルクティー」ってだけで既に私は好感持ってしまいます。紅茶と言ったらダージリン、というお約束の展開じゃないところが良いね。もちろんいろんな茶葉を説明してくれるんだけど、自分は何が好きでどんな風に紅茶を広めようとしたかを、すごく楽しそうに語ってくれてるところが素敵だなあと思いました。日本茶については、著者が深蒸しの濃いお茶にちょっと驚いてるところが好きです。はっきり書いてはいないけど、多分そんなに、好みではないんでしょう(笑)。実は私も深蒸し茶がちょっと苦手で(前のバイト先でさんざん売っていたにも関わらず苦手なのです)、深蒸し以外のお茶をたくさん紹介してくれるとそれだけで嬉しくなってしまいます。煎茶を「熱湯ではなく70度に冷ましたお湯でいれたらすごく美味しくてびっくりした」というあの感動は凄く分かる。煎茶は温度に気をつけるだけで飛躍的に美味しくなるよね。
初心者もベテランも、ちょうどいい具合に楽しませてくれる「ワーズワースの庭で」のような本。そういえば「ワーズワースの庭で」第1回目の放送は、テーマが「紅茶」でしたね。もうすっかり古い話なので、何人通じてるんだろうと書きながら少し不安。
爆笑問題のザ・コラム
2006年2月19日 読書
ISBN:4062108666 単行本 爆笑問題 講談社 2001/11/25 ¥1,365
ブックオフで100円だったのでつい買ってしまった。私のブログでこないだからちょっと「です、ます」調が増えたのは、あからさまにこの本の影響。いかんいかん。キャラが違う。
私の太田光好きは有名ですが、爆笑問題を知ったのは不覚にも遅い。GAHAHAキングの10週勝ち抜き戦のあたりからかな(十分古い)。最初に10週勝ち抜いたのが爆笑問題で、2代目がフォークダンスDE成子坂。私は太田ファンのくせにちょっとだけ成子坂のオケタ君に浮気していたことがあります。男の趣味が悪かったので。でもすぐまた、何事もなかったかのように太田のもとに戻ってきました。成子坂が解散したからじゃないですよ。ボキャブラ天国で変なパーマかけてたからでもないですよ。今でも爆笑オンエアバトルなど見ると、一人で頑張っている(今はまたコンビ組みましたか)村田渚君を応援しています。さっぱりオンエアされないので、応援のしがいがないのがちょっと、残念です。
話がずれまくってしましました。ごめんなさい。もうちょっとだけずれます。私と太田の共通点。これが意外とたくさんあります。サリンジャーが好き、モンティパイソンが好き、牡牛座
ちゃんと数えたら3点しかありませんでした。でもまあまあかぶってますよね。そういうことにしてください。
話戻してコラムですが、言うまでもなく私はこれが大好きでした。勿論今でも、「爆笑問題のススメ」のコラムを楽しみに生きています。そのわりによく見逃してるのは、不徳の致すところですが。角田光代さんがゲストだった回を録画された方、是非ともご連絡ください。ここだけちょっと本気です。
太田のコラムの何がすごいって、田中の突っ込みです。私だったら絶対、あんなに拾えません。ボケてんのか本気なのかの区別もいまいちつきません。田中が突っ込んで初めて意味の分かるボケも多いです。彼がいなかったら、太田が何喋ってんだか誰も分からなくなってしまうかもしれない。田中さんてすごいですね。戸田奈津子みたいですね(違)。太田のボケは、落語仕立てからオヤジギャグからヘ理屈から、どれも凄く面白かったです。最後の書き下ろしがまた、意味分からないにもかかわらずめちゃめちゃ面白くて、「あ、田中いなくてもやっぱり可笑しいものは可笑しいか」と先ほどの結論を早くも覆してしまいました。田中さんごめんなさい。ここまで付き合って読んだのに、全然感想がないじゃないかよ、とお怒りのみなさんに対しても、あの、ホント、ごめんなさい。自分でも気付いてたんですけど、途中から脱線し過ぎて戻せませんでした(涙)。
ブックオフで100円だったのでつい買ってしまった。私のブログでこないだからちょっと「です、ます」調が増えたのは、あからさまにこの本の影響。いかんいかん。キャラが違う。
私の太田光好きは有名ですが、爆笑問題を知ったのは不覚にも遅い。GAHAHAキングの10週勝ち抜き戦のあたりからかな(十分古い)。最初に10週勝ち抜いたのが爆笑問題で、2代目がフォークダンスDE成子坂。私は太田ファンのくせにちょっとだけ成子坂のオケタ君に浮気していたことがあります。男の趣味が悪かったので。でもすぐまた、何事もなかったかのように太田のもとに戻ってきました。成子坂が解散したからじゃないですよ。ボキャブラ天国で変なパーマかけてたからでもないですよ。今でも爆笑オンエアバトルなど見ると、一人で頑張っている(今はまたコンビ組みましたか)村田渚君を応援しています。さっぱりオンエアされないので、応援のしがいがないのがちょっと、残念です。
話がずれまくってしましました。ごめんなさい。もうちょっとだけずれます。私と太田の共通点。これが意外とたくさんあります。サリンジャーが好き、モンティパイソンが好き、牡牛座
ちゃんと数えたら3点しかありませんでした。でもまあまあかぶってますよね。そういうことにしてください。
話戻してコラムですが、言うまでもなく私はこれが大好きでした。勿論今でも、「爆笑問題のススメ」のコラムを楽しみに生きています。そのわりによく見逃してるのは、不徳の致すところですが。角田光代さんがゲストだった回を録画された方、是非ともご連絡ください。ここだけちょっと本気です。
太田のコラムの何がすごいって、田中の突っ込みです。私だったら絶対、あんなに拾えません。ボケてんのか本気なのかの区別もいまいちつきません。田中が突っ込んで初めて意味の分かるボケも多いです。彼がいなかったら、太田が何喋ってんだか誰も分からなくなってしまうかもしれない。田中さんてすごいですね。戸田奈津子みたいですね(違)。太田のボケは、落語仕立てからオヤジギャグからヘ理屈から、どれも凄く面白かったです。最後の書き下ろしがまた、意味分からないにもかかわらずめちゃめちゃ面白くて、「あ、田中いなくてもやっぱり可笑しいものは可笑しいか」と先ほどの結論を早くも覆してしまいました。田中さんごめんなさい。ここまで付き合って読んだのに、全然感想がないじゃないかよ、とお怒りのみなさんに対しても、あの、ホント、ごめんなさい。自分でも気付いてたんですけど、途中から脱線し過ぎて戻せませんでした(涙)。
イオナ―Sexy dynamite in elementary school (4)
2006年2月18日 読書
ISBN:4091923844 文庫 澤井 健 小学館 1999/07 ¥610
峰不二子になりたいという女子はいっぱいいると思いますが、私の憧れは五十嵐一女(いがらしイオナ)でした。イオナを一言で説明するならば、サブタイトルの「Sexy dynamite in elementary school」そのまんまでございます。スーパーモデル並みの美貌と傍若無人な性格を兼ね備えた教師が、小学校でやりたい放題やる、という。内気で控えめ、大人しくて目立たなかった中学生の私は、人を人とも扱わない横暴な態度のイオナを見て「こんな風に生きたいわあ」と強く憧れたものでした。それから10年以上たった今現在、まあだいたい達成できました。美貌以外。ちょっと規模は小さくなってしまいましたが、図書館でやりたい放題やっております。セクシーダイナマイトまではいきませんが、ダーティプレイメイトくらいでなんとか生きてます(?)。エロテロリスト・オブ・トショカンの座も手に入れました。要は「言ったもん勝ち」ってことでしょうか。ともあれ私は夢を実現させたのです。私の周囲には、かつてのあの内気な少女を恋しがる声も決して少なくありませんが、ま、それはそれで置いとくとして。
作者の澤井さんという人は、本当に絵が上手くてセンスも素晴らしいんですけど、それ以上に変人だと思います。変人というよりミステリアスな人というべきか。作品の方向性がいまいち掴めない。「イオナ」もたまに方向性が掴めなくて困惑します。他の作品だと更に困惑します。でもそれで良いと思います。ミステリアスな女の方が魅力的なのと同じ原理です。考えるのが面倒なので上手く逃げてみました。ぜんぜん逃げ切れてませんね。
「イオナ」を読んでゲラゲラ笑いながら(あ、これギャグマンガなんですよ、今更ですけど)知らず知らず気付いたことは、美というものの持つ圧倒的な力。表面的、装飾的な意味の美ではなくて(それもある程度強いものではありますが)、人が洗練された時に持つ力、とでも言えばいいか。大人になるってそういうことでもありますからね。一瞬だけでも成長する子供たちを見てると(すぐまた元に戻るんですけど)「かっこええなあ」と本気で思う。大人になるのが早い子から苦労もするけど、大人には大人の愉しみってものがあるのよ、ふふ、ってな感じのイオナ。子供から見るとミステリアス通りこして「理解不能」でしょうが、大人の私から見ると「けっこう優しい?」と感じてしまいます。優しくて淫乱。あ、やっぱり私の理想と一致してますね。言わずもがなですが、エロの持つ力(と無力さ)も遺憾なく発揮されていて好きです。
イオナを通して大人の世界を垣間見る子供たちの、理解不能っぷりと落胆と、「でももしかして、そっちの世界って楽しいの?」という疑りの眼差しが良いなと思う。「楽しいわよ、ふふ」などと答えてすます子供たちの不信感を募らせている私。いつのまにか大人になったもんですね。
最後に余談ですが、かつて山咲千里が愛読書に「イオナ」をあげていて、非常に納得のいった思い出があります。
峰不二子になりたいという女子はいっぱいいると思いますが、私の憧れは五十嵐一女(いがらしイオナ)でした。イオナを一言で説明するならば、サブタイトルの「Sexy dynamite in elementary school」そのまんまでございます。スーパーモデル並みの美貌と傍若無人な性格を兼ね備えた教師が、小学校でやりたい放題やる、という。内気で控えめ、大人しくて目立たなかった中学生の私は、人を人とも扱わない横暴な態度のイオナを見て「こんな風に生きたいわあ」と強く憧れたものでした。それから10年以上たった今現在、まあだいたい達成できました。美貌以外。ちょっと規模は小さくなってしまいましたが、図書館でやりたい放題やっております。セクシーダイナマイトまではいきませんが、ダーティプレイメイトくらいでなんとか生きてます(?)。エロテロリスト・オブ・トショカンの座も手に入れました。要は「言ったもん勝ち」ってことでしょうか。ともあれ私は夢を実現させたのです。私の周囲には、かつてのあの内気な少女を恋しがる声も決して少なくありませんが、ま、それはそれで置いとくとして。
作者の澤井さんという人は、本当に絵が上手くてセンスも素晴らしいんですけど、それ以上に変人だと思います。変人というよりミステリアスな人というべきか。作品の方向性がいまいち掴めない。「イオナ」もたまに方向性が掴めなくて困惑します。他の作品だと更に困惑します。でもそれで良いと思います。ミステリアスな女の方が魅力的なのと同じ原理です。考えるのが面倒なので上手く逃げてみました。ぜんぜん逃げ切れてませんね。
「イオナ」を読んでゲラゲラ笑いながら(あ、これギャグマンガなんですよ、今更ですけど)知らず知らず気付いたことは、美というものの持つ圧倒的な力。表面的、装飾的な意味の美ではなくて(それもある程度強いものではありますが)、人が洗練された時に持つ力、とでも言えばいいか。大人になるってそういうことでもありますからね。一瞬だけでも成長する子供たちを見てると(すぐまた元に戻るんですけど)「かっこええなあ」と本気で思う。大人になるのが早い子から苦労もするけど、大人には大人の愉しみってものがあるのよ、ふふ、ってな感じのイオナ。子供から見るとミステリアス通りこして「理解不能」でしょうが、大人の私から見ると「けっこう優しい?」と感じてしまいます。優しくて淫乱。あ、やっぱり私の理想と一致してますね。言わずもがなですが、エロの持つ力(と無力さ)も遺憾なく発揮されていて好きです。
イオナを通して大人の世界を垣間見る子供たちの、理解不能っぷりと落胆と、「でももしかして、そっちの世界って楽しいの?」という疑りの眼差しが良いなと思う。「楽しいわよ、ふふ」などと答えてすます子供たちの不信感を募らせている私。いつのまにか大人になったもんですね。
最後に余談ですが、かつて山咲千里が愛読書に「イオナ」をあげていて、非常に納得のいった思い出があります。
イヴの眠り 5 (5)
2006年1月25日 読書
ISBN:4091380379 コミック 吉田 秋生 小学館 2005/12/20 ¥410
出てる分だけ全部買ってこようと思ったら、これが最終巻でびっくりした。ずいぶん早く完結しましたね。烈君にもっともっと動いて欲しかったのだけど、それは続編か何かでやるのかしら??
最後に私の大好きな大好きなクロサキ中尉が見れて本当に嬉しかった。そもそもこの男がいなければ、キアヌに嵌まったりすることは絶対なかったんだが…(クロサキ中尉のモデルは「スピード」のキアヌだそうです。似てるよね)。まあいい。これからもキアヌ見てクロサキ中尉の面影を追います。だからあんまり、アホになるなキアヌ…。
今めちゃめちゃ寒いせいで、ハワイに行きたくてたまらん。クロサキ中尉と永住したい。私は英語はからっきしだが、フラダンスになら自信があるぞ(なんだ自信て)。
「イヴの眠り」の見所は、実は1、2巻のフラだと思うなあ。や、本筋も面白いんだけどね、ああいうハードボイルドなのも大好きなんだけど。にも関わらず、私が一番ぐらぐら揺さぶられちゃうのはフラのシーンなのだ。この辺が「吉祥天女」を面白いと思うかどうかの分かれ目だろうか。私はとても、面白かったんだよ「吉祥天女」。
吉田さんの作品て、硬質でありながら祈りや呪いのようなものの力を凄く感じる。「ラヴァーズ・キス」ですらそう思った。
セイの「やっと君に会えた」で思わずキュンときちゃいました。あんな愛情のこもった目で見られたら堪らない。やっぱファザコンか私は。
そしてそして、表紙の子たち可愛いー。私も男の子欲しいなあ、とつくづく思ってしまったのでした。
今回は内容さて置き、好き勝手に喋ってそのまま終わります。おわり。
出てる分だけ全部買ってこようと思ったら、これが最終巻でびっくりした。ずいぶん早く完結しましたね。烈君にもっともっと動いて欲しかったのだけど、それは続編か何かでやるのかしら??
最後に私の大好きな大好きなクロサキ中尉が見れて本当に嬉しかった。そもそもこの男がいなければ、キアヌに嵌まったりすることは絶対なかったんだが…(クロサキ中尉のモデルは「スピード」のキアヌだそうです。似てるよね)。まあいい。これからもキアヌ見てクロサキ中尉の面影を追います。だからあんまり、アホになるなキアヌ…。
今めちゃめちゃ寒いせいで、ハワイに行きたくてたまらん。クロサキ中尉と永住したい。私は英語はからっきしだが、フラダンスになら自信があるぞ(なんだ自信て)。
「イヴの眠り」の見所は、実は1、2巻のフラだと思うなあ。や、本筋も面白いんだけどね、ああいうハードボイルドなのも大好きなんだけど。にも関わらず、私が一番ぐらぐら揺さぶられちゃうのはフラのシーンなのだ。この辺が「吉祥天女」を面白いと思うかどうかの分かれ目だろうか。私はとても、面白かったんだよ「吉祥天女」。
吉田さんの作品て、硬質でありながら祈りや呪いのようなものの力を凄く感じる。「ラヴァーズ・キス」ですらそう思った。
セイの「やっと君に会えた」で思わずキュンときちゃいました。あんな愛情のこもった目で見られたら堪らない。やっぱファザコンか私は。
そしてそして、表紙の子たち可愛いー。私も男の子欲しいなあ、とつくづく思ってしまったのでした。
今回は内容さて置き、好き勝手に喋ってそのまま終わります。おわり。
プリンセス・ダイアリー 恋するプリンセス篇
2006年1月23日 読書
ISBN:4309203701 単行本 メグ・キャボット 河出書房新社 2003/01 ¥1,680
いかん。めちゃめちゃ侮ってたくせにだんだん嵌まってきた(笑)。主人公ミアの繊細さと潔癖さが可愛くて可愛くて…。
ベジタリアンで動物保護に熱心で、地球温暖化に影響するからクリスマスツリーのために木を切るのは反対、凍えそうに寒くても毛皮を貸してくれる人には「動物の死体なんて着れない」、食品の保存料や添加物にうるさいし、動物実験を経て作られた化粧品だって使わない。普通だったらヒステリックとも取られかねないこういう要素を、10代のミアが言うとなんとも愛らしいんだよね。世の中に対する見通しの甘さと、そこに立ち向かうときの真っ直ぐさに、ちょっと打たれてしまうのだ。
それにミアって実はロマンチストでミーハー。ディズニーアニメやアメリカのTVドラマや映画、俳優、キャラクターの名前なんかがどんどん出てくるんだけど、それが実に「ええとこ突いてる」って感じでたまに笑える(笑)。「ダンスシーンのある映画が好き」って理由で「ダーティ・ダンシング」をあげるあたり、良いよね。
プリンセス・レッスンはしなきゃいけないし、代数は落としそうだし、母親は妊娠中だし、友達との付き合いもあるし、好きじゃないボーイフレンドに別れを切り出さないといけないし、でもダンスパーティに誘ってくれる男の子がいないのはみじめだし、好きな男の子には彼女がいるみたいだし……。なんか見てるだけでホント大変だよなあ、と同情しつつ、でもそういうのって、実は幸せだよなあ、とも思う。オバチャンの目線になってますかね、私。
最初は「若いっていいね」的完全オバチャン目線でも、いつのまにかすっかりミアと同じくらいに少女化している自分に気付く。そしてまんまと、ラストでキュンときてしまうのでした。うん、恋が実る瞬間てホントいいよね〜。「実る」とか言う時点で若干自分に年を感じるが……。
続き借りようと図書館行ったら見事に貸し出し中。なんだよ!何気に人気あったのかよ!少女小説って嵌まると面白いからな〜。実際これもシリーズ重ねるごとに話面白くなってるし。
ジャクリーン・ウィルソンの「ガールズ」シリーズもアン・ブラッシェアーズの「トラベリング・パンツ」シリーズも順番待ちなのだよ。全部少女小説だが、絶対大人の女性が読んでるに違いない。
いかん。めちゃめちゃ侮ってたくせにだんだん嵌まってきた(笑)。主人公ミアの繊細さと潔癖さが可愛くて可愛くて…。
ベジタリアンで動物保護に熱心で、地球温暖化に影響するからクリスマスツリーのために木を切るのは反対、凍えそうに寒くても毛皮を貸してくれる人には「動物の死体なんて着れない」、食品の保存料や添加物にうるさいし、動物実験を経て作られた化粧品だって使わない。普通だったらヒステリックとも取られかねないこういう要素を、10代のミアが言うとなんとも愛らしいんだよね。世の中に対する見通しの甘さと、そこに立ち向かうときの真っ直ぐさに、ちょっと打たれてしまうのだ。
それにミアって実はロマンチストでミーハー。ディズニーアニメやアメリカのTVドラマや映画、俳優、キャラクターの名前なんかがどんどん出てくるんだけど、それが実に「ええとこ突いてる」って感じでたまに笑える(笑)。「ダンスシーンのある映画が好き」って理由で「ダーティ・ダンシング」をあげるあたり、良いよね。
プリンセス・レッスンはしなきゃいけないし、代数は落としそうだし、母親は妊娠中だし、友達との付き合いもあるし、好きじゃないボーイフレンドに別れを切り出さないといけないし、でもダンスパーティに誘ってくれる男の子がいないのはみじめだし、好きな男の子には彼女がいるみたいだし……。なんか見てるだけでホント大変だよなあ、と同情しつつ、でもそういうのって、実は幸せだよなあ、とも思う。オバチャンの目線になってますかね、私。
最初は「若いっていいね」的完全オバチャン目線でも、いつのまにかすっかりミアと同じくらいに少女化している自分に気付く。そしてまんまと、ラストでキュンときてしまうのでした。うん、恋が実る瞬間てホントいいよね〜。「実る」とか言う時点で若干自分に年を感じるが……。
続き借りようと図書館行ったら見事に貸し出し中。なんだよ!何気に人気あったのかよ!少女小説って嵌まると面白いからな〜。実際これもシリーズ重ねるごとに話面白くなってるし。
ジャクリーン・ウィルソンの「ガールズ」シリーズもアン・ブラッシェアーズの「トラベリング・パンツ」シリーズも順番待ちなのだよ。全部少女小説だが、絶対大人の女性が読んでるに違いない。
ISBN:4575235202 単行本 瀬尾 まいこ 双葉社 2005/04 ¥1,260
うん、読んでしまいますね。わりと厄介な状況に巻きこまれる主人公たちが、結果的に何かあたたかいものを手に入れますが、そこまでの流れが不自然じゃなくて素敵だなあと。人の複雑さを分かりつつも、人を信じることのできる人じゃないと書けない文章じゃないでしょうか。
最初の短篇、表題作の「優しい音楽」で、千波が掲げる「男を虜にする五つのポイント」というのがなかなか笑えます。別の本になりますが「図書館の神様」でも、人の心に訴える詩のポイントを超適当に大雑把に要約して語るシーンがあって、私あれもかなり好きでした。瀬尾さんてこういうマニュアルをいろいろ知ってて、それがいかに役に立たないかもよくご存知なのだろうな、と勝手に想像しております。
確かに、人と繋がろうとすると「1、彼女には自分の味方になってほしい」「2、弱いところを慰めてほしい」「3、ギャップに弱い」なんて箇条書きをそのまま実行に移しても、多分あんまり効果はない(笑)。分からないなあとか噛み合わないなあとか思いつつも、何かの拍子に新鮮な衝撃を味わい合って、感心したり呆れたりしながら親密さってわいていくんじゃないか。スピーディでもスマートでもないけど、こういう風に積み重なって出来た親密さって、信頼できる気がする。
瀬尾さんの小説を読んでると、人と関わるのって実は面白いのかもしれんな、と、人付き合いが苦手な私でも思ってしまうのでした。
うん、読んでしまいますね。わりと厄介な状況に巻きこまれる主人公たちが、結果的に何かあたたかいものを手に入れますが、そこまでの流れが不自然じゃなくて素敵だなあと。人の複雑さを分かりつつも、人を信じることのできる人じゃないと書けない文章じゃないでしょうか。
最初の短篇、表題作の「優しい音楽」で、千波が掲げる「男を虜にする五つのポイント」というのがなかなか笑えます。別の本になりますが「図書館の神様」でも、人の心に訴える詩のポイントを超適当に大雑把に要約して語るシーンがあって、私あれもかなり好きでした。瀬尾さんてこういうマニュアルをいろいろ知ってて、それがいかに役に立たないかもよくご存知なのだろうな、と勝手に想像しております。
確かに、人と繋がろうとすると「1、彼女には自分の味方になってほしい」「2、弱いところを慰めてほしい」「3、ギャップに弱い」なんて箇条書きをそのまま実行に移しても、多分あんまり効果はない(笑)。分からないなあとか噛み合わないなあとか思いつつも、何かの拍子に新鮮な衝撃を味わい合って、感心したり呆れたりしながら親密さってわいていくんじゃないか。スピーディでもスマートでもないけど、こういう風に積み重なって出来た親密さって、信頼できる気がする。
瀬尾さんの小説を読んでると、人と関わるのって実は面白いのかもしれんな、と、人付き合いが苦手な私でも思ってしまうのでした。
しずかに流れるみどりの川
2006年1月12日 読書
ISBN:4560027269 単行本 ユベール・マンガレリ 白水社 2005/06/28 ¥1,680
私はこの人の書く作品が本当に好きなんだなと再確認いたしました。「おわりの雪」に引き続き、ユベール・マンガレリとても良かった。
背の高い草むらの中に、長い道をつくって歩き続ける少年。風が草の穂先をかすめる音を「ことばにするのはむずかしそうだ」と思いながら、じっくり考えて得た言葉
「何千本もの細い絹糸が、
さらさら風に吹かれて乾いていくような音だ」。
すごい。少年はたくさんの「ことばにするのはむずかしい」風景に出くわすけど、いつもできるだけ正しく表せるように考えている。いろいろ考えながらぴったりだと思える言葉にたどり着くと、なにかとても正しいことをしたような充足感が彼を包むのだ。
雨が降って草を濡らし、その水滴が蒸気になって空へ昇るときの空気のゆらめき、ブラインドが半分あいて、朝の光が桟の角度にそって射しこむときの「まるで蜂蜜からたちのぼる湯気みたい」な金色のひかり、ばらを売ったお金で草の道を買い(もちろん本当に土地を買えるわけがないことは少年にも分かっている)、その道を売って買おうと思っている川の支流の様子「魚は橋の影にかくれるのが好きで、ぼくの影のなかでも安心しておよいでいた」…。彼の語る言葉は穏やかで、そこに描かれるのは他愛のない景色ばかりだが、どれもみな、かけがえのない美しさを秘めている。それらに触れてなんとか言葉にしようとする少年の思考を、ひとつひとつ正確に追える作者のユベール・マンガレリってホントに何者なんだ。
読んでると何故かヴィクトル・エリセの映画作品が浮かんでくる。物語に漂う静けさだけがエリセ作品を彷彿させるわけじゃないだろう。きっとエリセの映画作品もマンガレリの小説も、描かれる光景があまりにも「正確である」からだ。正しさは人を研ぎ澄ませる。この物語を追うだけで、いつのまにか空気は冴え渡り、水は蒸留水のように透明になって、どんな深いとこまでもクリアに見通しがきくようになってゆくのである。
私はこの人の書く作品が本当に好きなんだなと再確認いたしました。「おわりの雪」に引き続き、ユベール・マンガレリとても良かった。
背の高い草むらの中に、長い道をつくって歩き続ける少年。風が草の穂先をかすめる音を「ことばにするのはむずかしそうだ」と思いながら、じっくり考えて得た言葉
「何千本もの細い絹糸が、
さらさら風に吹かれて乾いていくような音だ」。
すごい。少年はたくさんの「ことばにするのはむずかしい」風景に出くわすけど、いつもできるだけ正しく表せるように考えている。いろいろ考えながらぴったりだと思える言葉にたどり着くと、なにかとても正しいことをしたような充足感が彼を包むのだ。
雨が降って草を濡らし、その水滴が蒸気になって空へ昇るときの空気のゆらめき、ブラインドが半分あいて、朝の光が桟の角度にそって射しこむときの「まるで蜂蜜からたちのぼる湯気みたい」な金色のひかり、ばらを売ったお金で草の道を買い(もちろん本当に土地を買えるわけがないことは少年にも分かっている)、その道を売って買おうと思っている川の支流の様子「魚は橋の影にかくれるのが好きで、ぼくの影のなかでも安心しておよいでいた」…。彼の語る言葉は穏やかで、そこに描かれるのは他愛のない景色ばかりだが、どれもみな、かけがえのない美しさを秘めている。それらに触れてなんとか言葉にしようとする少年の思考を、ひとつひとつ正確に追える作者のユベール・マンガレリってホントに何者なんだ。
読んでると何故かヴィクトル・エリセの映画作品が浮かんでくる。物語に漂う静けさだけがエリセ作品を彷彿させるわけじゃないだろう。きっとエリセの映画作品もマンガレリの小説も、描かれる光景があまりにも「正確である」からだ。正しさは人を研ぎ澄ませる。この物語を追うだけで、いつのまにか空気は冴え渡り、水は蒸留水のように透明になって、どんな深いとこまでもクリアに見通しがきくようになってゆくのである。
ISBN:4499281199 大型本 ロバート・サブダ 大日本絵画 2005/09 ¥3,990
大人気みたいですね、ロバート・サブダの仕掛け絵本。多分「不思議の国のアリス」の方が女子人気高いのでしょう。実際大きくなり過ぎて家からはみ出してるアリスなんかは堪らないものがありますが、私はオズも大好きなのであえてこっちで。絵が初版に忠実なところがいい。オズははっきり言って初版の絵がいちばん不気味で魅力的だ。
まだ開いてないので、詳しい感想書けなくてごめんなさい。
私は「エメラルドの都」より、「黄色いレンガの道」に期待をかけております。
大人気みたいですね、ロバート・サブダの仕掛け絵本。多分「不思議の国のアリス」の方が女子人気高いのでしょう。実際大きくなり過ぎて家からはみ出してるアリスなんかは堪らないものがありますが、私はオズも大好きなのであえてこっちで。絵が初版に忠実なところがいい。オズははっきり言って初版の絵がいちばん不気味で魅力的だ。
まだ開いてないので、詳しい感想書けなくてごめんなさい。
私は「エメラルドの都」より、「黄色いレンガの道」に期待をかけております。