ISBN:4091996922 大型本 吉田 秋生 小学館 2003/05/26 ¥2,730

なんだよ!クロサキ中尉出てないじゃん!!結構高かったのに!!
しょうがないな、これ資料にして自分で勝手に描いちゃうぞ。

アイコラみたいな感じで。
ISBN:4063375862 コミック サラ イネス 講談社 2005/11/22 ¥560

「絵が…構図が…ダメ…読めない」と、学生からはことごとく不評なサラ イネス。それでも内容をかいつまんで話してやるとめちゃめちゃウケが良い。そか、絵があかんのか。私は全然気にならないのだが…。

内容を喋ってウケるのは良いんだけど、マンガそのものを見てくれないと分からない面白さもあってもどかしい。4巻で言うと天然記念物のニホンカモシカを食べる話とかね(※食べてはいけません)。これをマンガと同じ間で伝えるの難しいわ。同じような話で「大阪豆ゴハン」のリスを食べる話も、個人的にゲラゲラ笑いながら読んだ大変面白い話なんですが、口で伝えると多分面白さが半減しちゃうんだよなー。リスと目が合ったときの愛らしい雰囲気と、そこから一瞬で「食った」と繋がる予想外な展開、さらに「不味かった」という力の抜けるようなオチをどうやって伝えたら良いものか。無理だよな。うーん勿体無いなあ。て、なんで噺家でもない私がこんなに苦労しなきゃならんのだ。まああれだ、1巻くらい読めば絵にも構図にも慣れるから頑張って読め。「攻殻機動隊」とか平気で読めるくせに「誰も寝てはならぬ」が読めないわけないだろう>学生。
ISBN:4120032000 単行本 イアン・マキューアン 中央公論新社 2001/11 ¥1,890

子供は面白いが大人はちっとも面白くない、という本を子供に読み聞かせることにうんざりしている大人たちへ朗報。もうあれだ。無理に子供に合わせなくて良い。本当はちっとも面白くない本を抱え、イノセントだとかノスタルジーだとかで自分を騙し、「子供の本は素晴らしい」などと無理矢理思い込まなくても良い。

大人も子供も楽しめる本がここにある。
ありがとうイアン・マキューアン。

ピーターは空想好きな男の子。人形に襲われ、ネコになって喧嘩に勝ち、赤ん坊と入れ替わり、いじめっ子の謎を解き明かす。どの短篇も面白いが、赤ちゃんになったときの積み木に夢中になる描写がとりわけ笑える。赤ちゃんにされたことに対して周りの大人たちに抗議しなくては、と思うのだが、ふと傍らを見ると何とも言えない魅力的な黄色をした

三角の積み木が!!

こんな素晴らしいモノがこの世にあったとは!!この形!この色!手で持って遊ぶだけなんて勿体無い、体中、口の中まで使って全身でこの積み木を感じなくては!!って抗議するのも忘れて無我夢中で遊ぶんですよ。遊んでる場合じゃないのに(笑)。いやはや笑える。大人になったらなったで今度は、常々下らない、意味がないと思っていた「散歩」をなんと自分から提案するピーター。「散歩に行かないか?」散歩!!散歩だって?!自分で言っててびっくりするピーター(笑)。うんうん大人にとっては散歩ってそんなに不自然な行為じゃないからね。ましてやきれいな女の子と一緒のときなんか。すすんで散歩に行きたがる君の気持ち、お姉さんよく分かるよ。
いじめっ子の章では、なぜみんなが彼を恐がるのか、ふとしたことからそのからくりを見抜き、謎を解き明かしてしまうピーター。その手腕はかなり見もの。第2章の「ネコ」あたりからぐんぐん面白くなってくるので、試し読みの方はぜひそこまで。これは子供に聞かせてやっても相当ウケると思うぞ。
ISBN:476611423X 単行本 奥川 純一 グラフィック社 2003/08 ¥1,365

「ブラウンダイアリー・ボンボヤージュ」の表紙が劇的に可愛いんだが、そちらは出ないようなので「ゴールデン」で。ちっちゃなくま、ブラウン(茶色だからブラウン、安易)の小さな日常。走って、転んで、隠れて、逃走。寝起きは悪いし寝つきも悪いし。コーヒーこぼすわ障子つきやぶるわ。まったく可愛いったらありゃしない。私が同じことしたら確実にぶん殴られるだろう。しょうがないな、くまだからな。

↓ウサキチも同じくらいメジャーになると良いね。
http://page.freett.com/usakichi/

おわりの雪

2005年12月2日 読書
ISBN:4560047987 単行本 ユベール・マンガレリ 白水社 2004/12/10 ¥1,680

トビを飼いたいと強く願う少年と、死の床に伏せっている父親。少年はトビを獲る男の物語を父親に語って聞かせる。「『男の影はひとつの黒い夜でした』ふと口をついて出たことばで、大した意味はない。というより、ほとんどまったくない。でも、そのフレーズが出たときには、自分でも素敵だと思った」

トビを飼いたい。あのトビのために、少年が犠牲にしなくてはならない犬や猫たち。お湯を張った桶のなか、麻袋の中で動かなくなった子猫。老犬を捨てに行く長い道程。帰り道で犬に遭うのが恐ろしく、走って走って、途中で見つけた犬の足跡。自分を追うのを諦めて、森の方へ歩いていった犬の足跡。「あっちにはなにがあったんだろう?」
死んでゆく者たちの静けさと、生きてそこにあるものの輝かしさ。雪がたくさんふった年、少年はその狭間を行き来しながら喪われるものを感じ続けている。こんなにも――的確に描けるものだろうか?彼の一冬を。犬を捨てにゆく彼の道程が、ぎゅっと握られた固い雪のように、いつまでも胸の中に残っている。

薔薇と野獣

2005年12月2日 読書
ISBN:448801318X 単行本 フランチェスカ・リア・ブロック 東京創元社 2003/10 ¥1,470

暖かな渓谷に育つ唯一の雪、スノウ。指貫(シンブル)がコップ代わりの小さな少女、タイニーは庭の柵を越え、少年のもとへ。眠り姫は自分自身にヘロインの針を刺して長い眠りに。義父に襲われたらお婆ちゃんの銃で立ち向かわなきゃ、赤ずきん。氷の女王が自らの髪に触れると、ダイヤモンドが弾け飛ぶ。果実、水晶、香水、石鹸、シャンパーニュ・ロゼ、レース、薔薇、キルト、蝋燭、ヴェルヴェットのクッション、ライムの輪切りを浮かべた水、白鳥の羽飾り、樹皮や葉や花の匂いのするオイル、更紗木蓮や極楽鳥花やハイビスカスでいっぱいの中庭。

堪らんよね。

フランチェスカ・リア・ブロックの並べる言葉を追うだけで、美しく透明な空気をたくさん吸い込んだような心地よい錯覚に襲われる。こころなしか身体も瑞々しく生まれ変わったような?体内浄化作用?血液サラサラ効果?マイナス・イオン出てる?酸素バーってこんな感じ?(全然違う)
ただでさえフェアリー・テイルや神話の幻想的なイメージを独自のスタイルで紡ぎ出すのが得意な作家。「白雪姫」を始めとするこれらの童話たちが、魅力的に語られないわけがない。冴え冴えとした清涼感はやみつきになりますね。彼女のスタイルに溺れながら、時々鋭い針でズキンと刺されるが良いよ。国中の糸車を隠しても、眠り姫はやはり王子のために針を見つけてしまうのだ。

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